樋口監督と24年間にわたり二人三脚で映画製作に取り組んできた
科学映画キャメラマン・石井董久(いしい・しげひさ)氏が、
2008年8月29日に亡くなりました。
謹んでご冥福をお祈りします。

石井董久氏 プロフィール
1945年、疎開先の愛媛県松山市生まれ。1966年、武蔵野美術大学建築科中退。カメラマン奥村祐治氏の下で撮影助手になり、主に羽仁進監督作品に従事。1973年、羽仁プロ製作・フジテレビ放映『動物家族』でアフリカに2年近く滞在。1980年、『きのこ-シイタケ菌を探る』で鈴木喜代治氏より顕微鏡微速度撮影を学ぶ。以後、シネ・ドキュメント樋口源一郎監督の下で主に科学映画の撮影に従事。1982年、樋口生物科学研究所設立に伴い研究員として細胞性粘菌の16mmによる動的解明を続け、成果を植物学会などで発表。1986年、農水省「根菌環境の動態解明と制御技術の開発」5ヵ年計画に参加。植物の根に発生するVA菌根菌を動的に追求。1992年、細胞性粘菌研究10年間の成果をまとめた『細胞性粘菌の行動と分化』完成。第33回科学技術映像祭・内閣総理大臣賞、第4回ケベック国際科学映画祭・研究部門1位、1992年度日本映画テレビ技術協会・撮影賞などを受賞。1997年、特異な博物学者・南方熊楠が熱中した変形菌とも言われる真正粘菌をまとめた『真正粘菌の生活史』完成。この映画も国内外で多くの賞を得る。1999年、VA菌根菌研究の成果をまとめた『菌と植物の共生』、2001年には菌根性きのこと腐朽分解性きのこを追求した『きのこの世界』完成。これまでの科学映画撮影への貢献に対して、2001年度日本映画テレビ技術協会「鈴木賞」を贈られる。(以上、2002年「第5回ゆふいん文化・記録映画祭」パンフレットより)